パドヴァの古い静かな町並みに、美しい景観を添えるポルティチ(柱廊)。
その下にある気どりないオステリアとして、地元の人から観光客まで同店の雰囲気に引き込まれるように、昼・夜とも常に席はよく埋まる人気店。
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メニューはピアット・ティピコPiatto tipico、つまり地元料理を中心とした構成なのが嬉しい。季節や、日替わりで変わるメニューが、定番料理と並列に手書きで書かれコピーされた一枚の紙切れがメニュー表。 季節メニューの変化は同店からほど近い、メルカートが開かれるピアッツァから仕入れられるもの。土地の旬の味を逃すことなく味わえる。
定番料理のサルデ・イン・サオルSarde in saor(イワシのエスカベッシュ)はアンティパストとして。
プリモでおすすめは、やはりパスタ・エ・ファジョーリPasta e fagioli(インゲンマメのパスタ)。ヴェネトのインゲンマメは赤紫と白の斑模様が特徴。品種としてはボルロッティBorlottiやラモンLamonと言われるものが主流だが、これらを香味野菜などと煮込んで裏濾すのがヴェネト流。 そしてビーゴリもはずせない。ヴェネト特有の太いスパゲティ状のパスタ。合わせるソースは定番2種。コン・ラグー・ディ・アーナトラBigoli con ragù d'Anatra(カモ肉のミートソース)かイン・サオールBigoli in saor(タマネギとアンチョビのソース)で。
セコンドには、定番のバカラ・アッラ・ビチェンティーナBaccalà alla Vicentina。干しタラをアンチョビ、タマネギ、牛乳で煮込むのが料理名のヴィチェンツァ風。
ネーロ・ディ・セッピアNero di seppia(イカのスミ煮)、フェガト・アッラ・ヴェネツィアーナFegato alla Veneziana(仔牛レバーの煮込み・ヴェネツィア風)などをはじめ、トリッパの煮込みやオッソブーコの煮込み等、様々な料理が並ぶ。これらセコンドには必ず添えられるのもお決まりのポレンタ。
Osteria dei Fabbri