パドヴァの個性派郷土料理の店として、地元人にはあまりにも有名。
1950年創業のこの店のウリは、手打ちパスタとカレッロ(ワゴン)で提供されるボッリートBollito(茹で肉)またはアッローストArrosto(オーブン焼)。「ダ・ジョヴァンニ=(イコール)ボッリート」というほどの有名店。
店内は広めでいつ行っても常にお客さんでいっぱい。週末の夜ともなると満席となり、かなりの混雑となる。店内の壁には銅鍋が飾られていて、レンガの壁といい雰囲気を醸し出している。広めの店内と白いテーブルクロス、レースのカーテンは“正統派”な印象を与えてくれる。
2010年に改装したばかりで客席も小綺麗になったが、何より厨房が明るい!そして広い!忙しそうに働く料理人の姿がいつでも見ることができる。
メニュー表もあるのだが、たいていはカメリエーレが口頭で伝えることが常。とはいえ、選ぶものといえばパスタか肉(ボッリートまたはアッロースト)。パスタはタリアテッレ、ニョッキなどから選ぶ。自家製の生パスタが用意されており、ラグーやトマトソース、またはシンプルにバターとセージから選択する。季節によっては、カボチャやラディッキオを詰め物にしたトルティーニなども。
注文を終えるとパンが運ばれてくるのだが、そのお伴にはイタリアでは珍しくバターが添えられる。それが非常に豪快スタイル。大きなかたまりに、テーブル用ナイフがグサッと突き刺さっているのだ。日本だったら縁起が悪い…とでも言われそうだが。
さて、主役の肉はボッリート(茹で)またはアッロースト(オーブン焼き)を選択、そしてワゴンに乗ってきたそれらを好きな部位を選び目の前で切り分けてもらう、というシステム。
ボッリートの内容は、ガッリーナ(雌鶏)、マンゾ(牛肉)、リングア(牛または仔牛の舌)、コテッキーノ(太いソーセージ様の豚の腸詰め)、豚足、豚の頭、仔牛ほほ肉ecc。長時間かけて茹であげられた肉の塊は結構な見応えがあり、またそれぞれの肉の味があって、もちろん食べ応えは十分。そこにサルサ・ヴェルデ(パセリとニンニクたっぷりのソース)とクレン(西洋ワサビ)をおろしたものかを添えて、いただく。好みでフルーツの砂糖漬けマスタード風味のピリリとしたモスタルダも添えて。
そして付け合わせのコントルノもワゴンサービス。好みの野菜の煮物などを皿に盛ってもらう。
肉もコントルノもかなりのボリュームになるので、肉を楽しみたい場合には、パスタはパスしたほうが無難。
かなりの個性派レストラン。クラッシック&トラディショナルだが、雰囲気もよく、何より適正価格がうれしい。訪れるべき店、何回行っても楽しい店。
Ristorante Da Giovanni