ローマ時代の古い通りに建つ門
門の建築が始まったのは1195年。外壁は防御の意から河沿いに築かれているが、それを外部と繋ぐ道としてできた橋である。
完成は1210年とされている。現在残るパドヴァの市街地を囲む壁は2時代 (13-14世紀と16世紀) のものに分けられているがこの橋及び門は前者のもの。この時代の建造物としてはパドヴァのなかでも最も保存状態が良いものとされている。
この写真の先(南側、チェントロ方面)はドゥオーモへと続く道となっているから、ここを起点に南北を結ぶ要所として、当時の重要な道のひとつであった。イタリアの他都市と同様、町の歴史はドゥオーモを中心に発達するからだ。
その時代から近代においてまで、つまり、現パドヴァの形成に大きく影響した2大領主のエッツェリニアーナEzzeliniana家とカッラレーゼCarrarese家にとっても、また1500年代のヴェネツィア共和国時代においても重要な要所として利用された。
この門の美しい形状の特徴は、ローマ風半円形のアーチ型。何度も改築、改修されてきたが、構造材としての石材もオリジナルのものとして残っている。ただし、開口のアーチ部分は20年ほど前に改修されたもの。色も素材も変わってしまっているので、見た目に少々残念な姿ではある。昼間よりも夜、イタリア特有の薄暗いライトに照らされてボーッと浮かび上がる姿のほうが印象に残るかもしれない。
そして、門の上方に高く聳え立つ塔。この塔は、1610年ガリレオにより最初の4つの木星の衛星が発見がされたという、歴史的場所でもある。
この門から、ドゥオーモに向け、パドヴァの町のなかでもローマ時代から残る古い通りであるVia Dante(ダンテ通り)が始まる。皮製品、靴の職人たちの集まる職人通りでもあった。