パドヴァに残る唯一の大規模ローマ遺跡
古代ローマ都市Patavium(Padovaのローマ時代の名前)の史跡として、アレーナ(円形劇場)の遺跡がある。"Arena Romana" 別名"Anfiteatro(円形劇場)"と呼ばれる。規模は小さいが、コロッセオ、ヴェローナのアレーナ同様、屋外闘技場として繁栄を誇ったかつてのパドヴァ市民の娯楽の場所であった。紀元後70年頃の建造物だとされている。
古代ローマ時代の遺跡は、ローマ帝国滅亡後は、侵入する外部民族の蛮行により大半を損壊、その後は建築材料として大理石が切り出されてしまうという運命にあり、このアレーナもその姿の大半が消滅してしまった。
現在遺跡として見られるのは、アレーナの壁面のごく一部。一部ではあるが、円形であった当時の面影を見ることができる。
このアレーナ跡には、市の重要な建造物、ジョットのフレスコ画が世界で最も良い状態で残るといわれているスクロヴェーニ礼拝堂(Capella degli Scrovegni)やエレミターニ教会(Chiesa degli Eremitani)、市立博物館(Musei Civici)があり、 この一帯は、現在アレーナ公園(Giardini dell'Arena)として整備され、市民の憩いの場として利用されている。