Cittadella : チッタデッラ

チッタデッラの城壁

チッタデッラは、城壁にぐるりと囲まれ、その上保存状態も非常によい、ヨーロッパでも例の少ない都市のひとつにあげられます。
近年の修復工事によって、城壁上部を歩いて廻れることができるようになりました。

不成形な円形(直径約450m)をした城壁は、門の機能を持つ4つのメインの塔をはじめ、1461mにも及ぶ周長の中に、12の中塔、16の小塔を含む計32の塔が聳え立ちます。 4つの門から伸びて交差する道路によって街は4分割され、さらに碁盤目状に路地が並びます。 城壁の上からは、中心の広場に建つドゥオモをはじめ、整然と軒が並ぶ市内の様子や、市壁の外には北のプレアルピ、南のコッリ・エウガネイのパノラマが楽しめます。

現在は、人口2万人に対し2500以上の企業が存在する、イタリアでも裕福な街として知られています。

歴史

城壁の街、としてのチッタデッラは1220年、ヴィチェンツァとトレヴィーゾとの境界を持つパドヴァ領土の北の要塞としての役割を担い創建されました。というのも、1195年、チッタデッラから東へ10kmたらずのカステルフランコに、同様のトレヴィーゾ領要塞が構えられたからです。

この一帯は、青銅器時代から人々の居住がみとめられており、また紀元前1世紀より古代ローマ人によって広く農地として碁盤目状に整備されていた地域の一角にあたります。
11世紀になると街としての機能を持ち始め、権力者、教区教会も現れるようになります。
その中で要塞としての場所の決め手となったのは、水運に欠かせないブレンタ川と周囲に湧き出る湧き水の存在、そしてローマ時代(BC148年)からの主要道路ポストゥーミア街道(Via Postumia)でした。ポストゥーミア街道は、チッタデッラの街を東西に走る中心道路であり、隣街カステルフランコを貫く道路でもあります。

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パドヴァの歴史には欠かせない「暴れん坊」エッツェリーノ・ダ・ロマーノEzzelino da Romanoによる短期間の支配後は、1236年には法令を定める権利も与えられ、13世紀後半は街にとっては平和な時期でありました。
1318年にはヴェローナの領主カングランデ、その後再びパドヴァの領主Da Carrara家の支配。そして1405年のヴェネツィア共和国のパドヴァ占領とともにチッタデッラもヴェネツィアの手に渡ることになります。

1483年にはヴェネツィア共和国が軍の指揮官であるロベルト・サン・セヴェリーノRoberto San Severinoにその支配権を贈呈(~1499年)し、1503年からは、リミニ領主でもあったパンドルフォ・マラテスタがチッタデッラの領主となります。カンブレー同盟戦争が始まると、彼の教皇派への寝返りによって、チッタデッラは教皇軍より何度もの略奪などにあうのでした。

そんなチッタデッラに長い真の平和がもたらされるのは、1516年再びヴェネツィア共和国によって統治されてからでした。

とはいえ、周囲の他の都市同様、1797年ナポレオン軍の占領が、チッタデッラの平和な時代に終わりを告げます。 その支配中、街はバッキリョーネ県(1806~14)に参入することとなり、後にヴィチェンツァ県(1816~66)と区分けされます。 1814年のオーストリア支配は、1966年のイタリア王国併合まで続きました。

みどころ

Mura di Cittadella

城壁散歩

cittadella101_01s.jpg(8377 byte) 北側のバッサーノ門にある観光案内所から入場して城壁上部へ。城壁の高さは地上から平均約13m。トレヴィーゾ門とパドヴァ門に挟まれた南東部4分の1はまだ修復中で歩くことはできません。この巨大建造物、基礎がなく、2枚のレンガ壁の間には周囲の堀で掘られた土や石などが詰められており、壁の厚さは2.1mとなっています。 また、北西には一部城壁の欠けているところがあり、鉄骨造のブリッジによって繋がっています。観光案内所のある始点のCasa del Capitano(隊長の家)、終点のMuseo Archeologicoは、入場料(大人4ユーロ)に含まれています。

見学時間:観光案内所に同じ。ただし入場は終了時間の45分前まで。

Quattro Porte

4つの門

cittadella101_02s.jpg(8377 byte) これら4つの門は扉を何重にも設けることにより、敵の進入に対し厳重に防御できるシステムとなっていました。
パドヴァ門:忠誠を誓うべく街(Padova)へ向かう門は、パドヴァの領主Da Carraraによって街の主門として建設された。パドヴァの街の紋章(白地に赤の十字)とDa Carrara家の紋章(4つの車輪)が外側に掲げられ、掘られた文字は今では見えませんが、訪問者への歓迎の意があったといわれています。
ヴィチェンツア門トレヴィーゾ門:街の西側と東側に位置するこれらの門は22~25mの高さの塔を持ち、扉門は3重のシステムになっています。いずれもナポレオン軍の占領などにより、一番外側の部分は大方失われて、跳ね橋の跡もありません。ヴォチェンツァ門の内側にはキリストの磔刑、トレヴィーゾ門には聖母の戴冠及び受胎告知のフレスコ画が残っています。
バッサーノ門:この街の防衛において、もっとも重要な門。扉門も5重となり、外側には跳ね橋とよろい戸跡が現在も見られます。規模も他の門より大きく、隊長の家だけでなく駐屯隊、武器庫、井戸・かまどなど、いろいろな設備が併設されていました。内側の塔にはパドヴァとDa Carrara家の紋章が描かれています。30mの高さの塔から見える景色は格別です。

Duomo

ドゥオモ

cittadella101_03s.jpg(8377 byte) 街を従十字に走る主要道路の交差点に建つドゥオモは、1774年建設開始、3人の建築家によって1826年に完成します。そのうちの一人は、パドヴァのプラート・デッラ・ヴァッレを設計したDomenico Cerato。聖具室内の絵画館には、ヤコポ・ダ・ポンテの「エマオの食事」、Andrea da Muranoの「Lamento sul Corpo di Cristo」、 Palma il Giovaneの「La Flagellazione」が収められています。

見学時間:9:30~12:00/15:30~18:30

Palazzo Pretorio

司法長官の館

cittadella101_05s.jpg(8377 byte) トレヴィーゾ門近くに位置するこの館は、パドヴァ、そしてヴェネツィア共和国より派遣された司法長官の執務館として使われていました。内部は、壁に掲げられるタペストリーに見せかけた装飾に覆われており、入口玄関部には、ピンク大理石でできたヴェネツィアの獅子・聖マルコのレリーフと、領主であったパンドルフォ・マラテスタとその兄弟カルロの肖像画が飾られています。

見学時間:内部にて展示会のある時、または予約のみ(観光案内所にて)。

Torre di Malta

マルタの塔

cittadella101_05s.jpg(8377 byte) パドヴァ門にもたれるように建つのが、マルタの塔。1251年にこの地域一帯の支配者だったエッツェリーノ・ダ・ロマーノによって建てられ、地下牢獄として捕虜が収容されていました。捕虜たちは空腹で亡くなっていきました。この彼の非道さは、ダンテの「神曲」に引用されているほどです。1256年パドヴァにエッツェリーノが捕獲された時、市民によって牢獄が開け放たれ、女性を含めた100人余りの捕虜が解放されたといいます。現在は、城壁散歩の出口として、また考古学博物館を併せ持つ複合施設として利用されています。

見学時間:城壁散歩と同じ。

Chiesa di Santa Maria
del Torresino

サンタ・マリア・
デル・トッレジーノ教会

cittadella101_06s.jpg(8377 byte) パドヴァ門の、マルタの塔の横の道を挟んで反対側に建つのが、この教会。パドヴァ門の鐘つきの塔(Torresino)の隣に建っていたことからこの名前がつきました。実際は城として建設され武器倉庫に使用されていたようです。内部には木製のキリストの十字架、中世の大理石の水盤がみどころ。

見学時間:内部にて展示会のある時、または予約のみ(観光案内所にて)。

たべどころ

Taverna degli Artisti

タヴェルナ・デッリ
アルティスティ

cittadella101_06s.jpg(8377 byte) 街の喧騒を抜けて一歩奥に入ったところに佇むタヴェルナ。田舎風インテリアで落ち着く店内は、忙しくカメリエレが働く気持ちのよい空間。メニューは地元料理とナショナル料理をベースに少し手をかけ創作を組み入れた構成。もともと額装のアトリエだったこの建物にはアーティストがよく集っており、その歴史を引き継いで店内を絵画や彫刻などで埋め尽くし、それらに囲まれながらアートと称される料理を楽しむというコンセプト。
住所:via Mura rotta, 9 | 電話:049.9402317 | 定休日:月曜夜と火曜

www.tavernadegliartisti.it

Enoteca Ristorante I Bei

エノテカ・リストランテ
イ・ベイ

cittadella101_06s.jpg(8377 byte) 住所:Piazza Scalco, 10 | 電話:049.9403500 | 定休日:土曜昼

www.enotecaibei.com

フォト

Palazzo della Ragione Palazzo della Ragione Palazzo della Ragione Palazzo della Ragione

マップ

観光案内所

夏季(4月~10月)
月・水~金9:00~13:00/14:00~18:00 - 土日9:00~12:30/14:30~19:00

冬季(11月~3月)
月・水~金9:00~13:00/14:00~16:00 - 土9:00~13:00/14:00~16:30 - 日9:00~12:00/14:00~17:00

電話:049.9404485 | FAX:049-5972754 | mail: turismo@comune.cittadella.pd.it

行き方

電車で » TRENITALIA
パドヴァから普通電車で約45分(代替バスになることもあるので注意)3.50ユーロ

バスで » SITA
パドヴァから約50分